三重県上野東小学校で出前授業を行いました

    温暖化と自然エネルギーを学習
        ~スライド学習とトレー風車工作~
       
 2008年11月14日(金)、当会会員9名(応援1名含む)は、三重県の伊賀市立上野東小学校において、5年生3クラス(約110名)への出前授業として地球温暖化や自然エネルギーについてのスライド学習とトレー風車の工作・発電実験(授業時間90分/クラス)を行いました。

 上野東小学校は、生徒数は650名、伊賀盆地のほぼ中央に位置し、本年度に創立60周年を向かえる学校です。平成18年度~19年度に改築していますが、その際、校舎の屋根には10kWの太陽光発電を設置されました。木の香りが暖かさを感じさせる校舎に加え、広々とした校庭、教室の窓から青山高原の風力発電所群が望める素晴しい環境に恵まれた学校です。
 最初に校長先生から「ここ数年、環境やエネルギーの勉強に見学に出かけたり、出前授業を受けたりしている」とお聞きして、「我々もしっかりと授業をしなければ」と気が引き締まる思いで授業を始めました。

学習小 まず、最初は約15分間のスライド学習で、地球温暖化が進行している現状、温暖化の原因、温暖化防止のために私達に出来る事、そして、自然エネルギーについて学習しました。講師は、大きなビニール製の地球を掲げて生徒達と対話をしながら授業を進めましたが、講師の問い掛けに生徒達も積極的に手を上げてくれ、一方、手を上げてくれた生徒には出来るだけ多く発表してもらおうとの講師の“温かい”思いで、最初のクラスでは気が付けば学習予定時間を大幅に越えていました。二クラス目からは、予定時間内に終えたいし、さりとて、折角手を上げてくれている生徒を指名しないのもかわいそうと講師の気遣いも大変だったようです。
 生徒達はよく勉強しているなあ、よく知っているなあ、温暖化問題もかなり知られてきているなあというのが、参加した我々会員の感想でした。
 
作り方小 続いて、トレー風車の工作と発電実験ですが、最初にスライドを使って作り方を説明し、続いて、一輪車を活用した手廻し風車での発電確認テストを行い、最後に発電量測定を行ってその結果を各人の記録用紙に記録する一連の手順を説明して、いよいよ制作開始です。
 
 最初に、持参したトレーから型紙を使って4枚の羽根を切り取ります。その方法について一通りは講師から説明(作り方の詳細は配布資料をご参照下さい)していますが、生徒達が持参したトレーの形状、大きさが異なるため、生徒各人にとっては多少の応用問題です。我々大人が想定している手法だけでなく、今出来た羽根を次の型紙に使う生徒も出てきて、「なるほどなあ、そんなやり方もあるのか」と見守りました。
工作風景小 また、ハサミを使っての切り取りも生徒それぞれの切り方があり、4枚の羽根が出来上がるまでの時間には大きな差がありました。その過程から生徒のいろいろな姿が観察でき教育的に見ればなかなか良い体験をすることが出来ましたが、時間内に全生徒に全ての工程を終えさせたい講師陣は、手助けすべきか否かとやきもきの連続でした。工作のポイントである羽根の取り付けは、配布された資料と目の前の見本を見比べながらの大仕事です。

発電テスト小 出来上がった風車を手廻し風車に取り付けての発電確認テストは緊張の瞬間です。正しく制作されているとLEDランプが点灯、オルゴールが奏でられますが、正しく羽根が取り付けられていないと発電量が不足しますので点灯も奏でもしません。そのような場合には、生徒と一緒に配布資料や見本と比べながら原因を考えました。原因を生徒自らが見つけてくれ無事発電した時に生徒がニッコリしてくれると、こちらもホットしました。
 
発電測定小 この段階を無事通過するといよいよ発電量の測定です。発電結果は、メーターをビデオで撮影してスクリーンに映し出します。風車に当てる風は測定結果が公正になるように扇風機で送りますが、その値には相当の開きが出ます。大きな数値が表示されると大きな歓声が教室中に響きます。発電量の大きさは、単に制作の上手、下手だけでなく、我々の準備した材料の精度、使用したトレーの厚み等にも影響されることを説明するとともに、数値が小さい場合には生徒と一緒に微調整を行ったりしました。
 測定結果は各人の記録用紙に記入し、100Wのテレビを見るには、今作った風車を何個作らなければならないかを考えてもらえるようにしました。

完成小 授業の最後に、全員が完成した風車を掲げて喜んでくれる姿に接して、早朝に大阪を出発してきた甲斐があったとほっとするとともに、我々は一日だけでしたが、毎日多くの生徒を相手にしておられる先生方のご苦労を思うと頭の下がる思いがしました。
 そして、短い工作時間でしたが、生徒達がエネルギーを得ることの大変さ、エネルギーの節約の大切さを多少なりとも感じてくれていたら良いのだがと念じながら学校を辞しました。

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