市民が拓く自然エネルギーの未来
| ご存知ですか? 各党の自然エネルギー普及政策を |
「RPS法評価検討小委員会・報告書(案)」に対する意見(2006/05/18)ポッポおひさま発電所の取り組みが新聞に掲載されました。
以下、内容を打ち直したものです。
市民が出資して保育園の屋根に太陽光発電システムを設置し、子供たちの環境教育に役立てるプロジェクトが大阪府東大阪市で始まる。ポッポ第2保育園(同市)の屋根に年間一万kWh発電できるシステムを設置し、特定非営利活動法人(NPO法人)の自然エネルギー市民共同発電(大阪市)が「ポッポおひさま発電所」と名付けて運営する。
設置費用は約1,200万円。550万円を新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と大阪府の補助金で賄い、650万円を市民から寄付と出資で集める。出資金は一口10万円。出資者には毎年、余剰電力の売電収入などを還元する。問い合わせは同NPO(TEL. 06-6910-6301)まで。
日本経済新聞 2005/12/06(朝刊)
大阪ではじめて、市民共同出資・グリーン電力証書活用をめざす太陽光発電所
ポッポおひさま発電所 市民プロジェクト
2005年11月29日
特定非営利活動法人自然エネルギー市民共同発電
社会福祉法人鴻池ポッポ福祉会
自然エネルギー市民の会
1.特定非営利活動法人自然エネルギー市民共同発電(和田武代表理事)は、市民共同太陽光発電所を設置する。設置する場所は、社会福祉法人鴻池ポッポ福祉会(高砂洋子理事長)が運営するポッポ第2保育園の屋根。同園は去る4月に開園したばかりであるが、当初より保育に使う電気を自然エネルギー(=再生可能エネルギー)でまかなう構想をもっており、自然エネルギー市民共同発電の協力で実現する運びとなった。
2.発電設備は10kWで、年間1万kWhの発電を予定しており、保育園の消費電力の約3割をまかなうことができる。これによって約6.9tのCO2削減効果が見込まれる。設置費用約1千万円の半分をNEDOと大阪府の補助金で、残り半分を一般市民からの寄付と出資でまかなう計画である。
3.大阪府は、地球温暖化防止事業の一環として今年度から初めて、「府民共同発電所推進事業」を開始したが、 本事業はその対象事業となる。
4.市民共同発電所は全国に70ヶ所以上あり、資金募集方法として寄付型と出資型がある。本事業は出資型として大阪府下で初の10kW規模となる。今年度から国の補助金が大型の太陽光発電設備(10kW以上)に限定されたため、市民が寄付だけで資金調達することが困難になっていた。本事業では1口10万円の出資金を発電収入で払い戻すことで、市民出資の道を開いた。
5.また、太陽光で発電した電力の環境価値をグリーン電力証書として、環境保全やCSRに積極的に とりくむ企業・団体に販売することもめざしており、実現すれば市民共同発電所の取り組みとして は関西で初めてとなる。
6.京都議定書が発効し、わが国でも地球温暖化防止をめざしてウォームビズなどのさまざまな省エネルギー活動が進められている。一方、エネルギー源を化石燃料中心から自然エネルギーに切り替えてゆく点については、わが国は立ち遅れており、国の自然エネルギー電力の目標は1.35%(2010年)にすぎない。そこで私たちは、市民の力でエネルギー転換をすすめるために、自然エネルギー発電所づくりを市民共同プロジェクトとして進める。市民がエネルギーの消費者にとどまらず、みずからエネルギーを生産・選択してゆくという明確な意識を育てることで、エネルギー政策のあり方に働きかけてゆきたい。
11月18日、ロシアの京都議定書の批准書が国連事務総長に寄託され、京都議定書は90日後の2005年2月16日に発効することになった。京都議定書の発効を心から歓迎する。
京都議定書は、地球温暖化防止のための唯一の国際的枠組みであり、この削減目標を確実に達成することが地球温暖化防止の第一歩である。しかし、日本では、2003年度の温室効果ガス排出量は1990年比で8%も増加してしまった。経済産業省や環境省の検討では、現在の地球温暖化対策推進大綱の施策がすべて実施されても、温室効果ガスは削減どころか、2010年には5%ちかく増加してしまうと試算されている。
温室効果ガスの削減対策は、省エネ対策とエネルギー転換しかない。地球温暖化を防止するためには、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会経済システムを見直すとともに、長期的には脱化石燃料社会を構築しなければならない。そのためにはエネルギー源を化石燃料から自然エネルギーに転換するしかない。
しかし、現在の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」は、その極めて低い導入目標と、廃棄物発電を対象にしたことから、かえって自然エネルギー普及の障害になっている。
私たちは、京都議定書の削減目標を確実に達成するために、以下の自然エネルギー普及施策が必要だと考える。
(1)見直しが進められている地球温暖化対策推進大綱のなかで自然エネルギー普及を積極的に位置づけ、具体的な自然エネルギーの普及のための施策を盛り込むこと。
(2)直ちに、RPS法を抜本的に改正して、自然エネルギーの導入目標を大幅に増加させるとともに、固定価格買取制度などの市民が投資しても損をしないシステムを導入すること。
(3)市民投資の自然エネルギー普及のための支援策を拡充すること。
気温上昇幅を産業革命以前から2℃未満に抑えなければ、地球規模の回復不可能な環境破壊により人類の健全な生存が脅かされる可能性がある。近年、日本だけでなく、世界的に異常気象が頻発し、大きな被害をもたらしている。温暖化が進行すれば、ますますこうした異常気象とその被害が拡大することは明らかである。
ドイツやデンマークでは、風力発電所の7〜8割が市民の投資によるものである。自然エネルギーの未来を切り拓くのは市民であり、京都議定書の発効を機に、市民による自然エネルギー普及のための具体的施策が実施されるべきである。