和歌山県すさみ町での市民風車の取り組み


和歌山県すさみ町内にあるサイトでの市民風車事業の可能性検討を、2004年から2006年にかけて実施しました。

取組のきっかけと地域との連携

 取組のきっかけはPAREのメンバーである(株)エイワットからの提案によるものであった。エイワットでは、和歌山、四国等での風況精査事業を行なっており、和歌山県すさみ町のサイトでは2004年4月から2005年5月にかけて実施中であった。エイワットからの提案は、このサイトでの市民風車事業の可能性について市民の会とともに検討したいというものであった。
 道路や系統連係、住宅からの距離などの建設上の問題もなかったこともあり、この提案を受けて、市民の会では風況精査結果を得た上ですさみでの事業可能性について検討を行なうこととし、設置準備のために市民風車建設の地域主体となりうる市民や団体との合意づくりを目指して和歌山県内で取り組みを進めた。具体的には、和歌山県内での自然エネルギー普及に取り組む市民団体「紀州えこなびと」との自然エネルギー学校の開催、和歌山県地球温暖化防止活動推進センターとのイベント共催などを行なった。

風況精査の結果と結論

 風況精査により、30m高で年平均5.0m/sという結果が得られた。すさみサイトの特徴としては、卓越風が安定していること、冬と夏の平均風速の差が大きく夏場の風速低下が平均風速に大きく影響していることがあげられる。
 前述の鳥取県賀露港と同様に、概ね10年以内で投資回収の見込みがあることを事業化の条件とし、データをもとにした風力発電事業化シミュレーションの結果、残念ながら市民共同風力発電所として事業化できるとの確信が持てず、建設を断念するとの結論に至った。
 すさみの場合、次のような理由からこの基準をクリアすることが難しいと判断された。
1)年間平均風速が5m前後であり高いとは言えない水準である(NEDOの事業性指標は30mHで6m/s以上、設備利用率20%以上)。
2)いくつかの先行事例(伊方町、広川町、甫喜ヶ峰)を分析した結果、各事業者による試算では10年程度で初期投資額の回収可能性を示しているにもかかわらず、当初の想定発電量が得られない場合があり、また、事業者による発電量保証もされていない。
3)先行事例の分析結果から安全性を高く設定した方がよいと判断し、発電電力量を予測値の30%減としてシミュレーションを行うことにしたが、その場合には資金不足に陥り借入金を返済できないことが想定される。
 こうした評価に基づき、運営委員会で検討を行なった結果、市民の会としては、すさみでの市民風力発電事業について、見合わせざるをえないという結論に至った。

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