「自然エネルギー市民の会」のめざすもの


事務局長 早川光俊(CASA専務理事、弁護士)

「自然エネルギー市民の会」の目的

 「自然エネルギー市民の会」の目的は、市民による自然エネルギーの普及を通じて、進行する地球温暖化を防止し、エネルギー問題を市民の手に取り戻すことです。

1.地球温暖化の防止

 地球温暖化は、私たちが思っている以上に急速に進行しています。世界の平均気温は1861年以降0.7℃上昇し、1990年代は、1860年に計器による測定が始まって以来、もっとも暑い10年であり、過去1000年でもっとも暑い年は1998年、2番目が2002年、3番目が2003年だと言われています。このまま二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が続けば、地球の平均気温が2100年には最大で5.8℃上昇し、海水面も88cm上昇すると予測されています。科学者は、平均気温の上昇幅を産業革命以前から2℃未満に抑えなければ、地球規模の回復不可能な環境破壊により人類の生存が脅かされる可能性があると警告しています。

 地球温暖化の原因は産業革命以来、主としてエネルギー源として大量の化石燃料を消費してきたことにあります。すなわち、地球温暖化を防ぐためには化石燃料の消費を減らすことしかありません。地球温暖化を防ぐためには、エネルギー源を化石燃料から自然エネルギーに転換するしかありません。

2.エネルギーを市民の手に取り戻す

 日本では、エネルギー問題の決定に、市民が関与するシステムがありません。原子力発電にしても、原子力発電を選ぶのか、他のエネルギー源を選ぶのかを、私たち国民に問われたことはありません。エネルギー政策の基になっている「長期エネルギー需給見通し」を策定する審議会は、ほとんどの委員が経済産業省や電力業界の代表で占められています。これは大変に異常なことです。小規模で分散型の自然エネルギーは、市民が関与可能なエネルギー源です。自然エネルギーの普及を通じて、エネルギーを市民の手に取り戻さなければなりません。

3.平和で安全な社会を創る

 「自然エネルギー市民の会」は、自然エネルギーの普及を通じて、平和で安全な社会を創ることを目指します。

 石油や石炭などの化石燃料を産出する国は限られています。偏在する資源が戦争の原因になってきたことは、過去の歴史を紐解くまでもなく、今回のイラク戦争で明らかです。

 また、原子力発電や大型の発電設備などより、自然エネルギーが安全なことは、チェルノブイリの原発事故を考えれば明らかです。

「自然エネルギー市民の会」の活動

 「自然エネルギー市民の会」では次のような活動を行いたいと考えています。

  • 1)市民による自然エネルギー事業の具体化
  • 2)調査・研究、政策・提言活動
  • 3)情報収集・提供、普及・啓発活動v

1.市民による自然エネルギー事業の具体化

 当面、市民投資による風力発電所の建設を具体化するための活動を進めます。また、自然エネルギー事業に関する環境アセスメントを、市民が主体となって、市民参加で行う手法の開発に取り組みます。こうした事業を、「自然エネルギー市民の会」が直接事業主体になるのではなく、風力資源のある地域の市民・NGOの活動に連携し、協働で事業を進めたいと思っています。自然エネルギーはその地域のものであり、地域の資源を大切にしながら、都市と地方の市民・NGOが協働で、風力発電所の建設だけでなく、子供たちも含めて永く交流できる事業を展開することが、自然エネルギーの普及につながると思います。

  また、多くの市民・NGOが協働で事業に取り組むことにより、自然エネルギー事業に関するノウハウを蓄積し、こうしたノウハウを共有することにより、様々な地域で市民による自然エネルギーの普及を広げていきたいと思います。

2.調査・研究、政策・提言活動

デンマークやドイツでは、急速に風力発電が普及しており、そのほとんどが市民個人や市民の共同所有です。デンマークやドイツで市民所有が可能なのは、自然エネルギー事業に取り組む市民が損をしない固定価格買取制度があるからです。日本でも市民が投資する自然エネルギー発電事業が可能になるように、自然エネルギー事業についての調査・研究活動を行うとともに、政府などに政策・提言活動を行っていきます。

3.情報収集・提供、普及・啓発活動

自然エネルギーについての情報を収集し、これを市民に提供するとともに、自然エネルギーについての普及・啓発活動を行います。具体的には、自然エネルギーについての学習会や研究会、自然エネルギー学校などの開催、ニュースの発行、ホームページの開設などの活動を行います。

市民が拓く自然エネルギーの未来

自然エネルギーは、(1)CO2の排出量が少なく大気汚染などの公害もない、(2)枯渇しない、(3)資源に地域的な偏りがない、(4)小規模・分散型で地震などの災害に強い、(5)平和で安全、などの特長も持つ、未来のエネルギーです。

 そして、自然エネルギーの未来を切り拓くのは私たち市民です。

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