声明:原発推進政策から自然エネルギーの飛躍的促進政策に転換を!

自然エネルギー市民の会では、2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原発事故を受けて、原子力発電から再生可能エネルギーへの転換を求める声明を発表しました。

>>声明:原発推進政策から自然エネルギーの飛躍的促進政策に転換を!(PDFファイル)

以下全文となります。


声明:原発推進政策から自然エネルギーの飛躍的促進政策に転換を!
~東日本大震災による福島原子力発電所事故を踏まえて~

 3月11日に発生した東日本大震災は、巨大地震と津波による多数の犠牲者を生みました。私たちは、犠牲者の方々に哀悼の意を表明するとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、政府に対しては、総力をあげて被災者の皆様への支援と震災地の復興に最善の対策をとるよう強く求めます。

 今回の地震と津波により福島第1原子力発電所の1号機から6号機すべてで原子炉や核燃料貯蔵プールの冷却機能がすべて制御不能になり、炉心溶融、水素爆発、火災、建屋損壊等が相次ぎ、大気、土壌、海洋に、さらに飲料水や食品にまで、広範な環境に放射能汚染をもたらすという事態が発生しています。また、現在でも核燃料のメルトダウンによる再臨界の危険は去っていません。もし、そうなれば、原子力発電所周辺に居住および交通等が不可能な地域が生まれ、取り返しのつかない事態と社会的大混乱に至ることにもなりかねません。今回の事態は、巨大地震がどこで発生しても不思議でない日本では、原子力発電所の苛酷事故がいつでも起きる危険があることを実証することになりました。

 ところが、今回の原発事故について、原子力保安院、東電、「専門家」の一部に「想定を超えた大規模災害」を唱えて人的・社会的損害の責任を曖昧にしようとする傾向が見られます。地震国日本では上限を定めた想定そのものが危険であるとする多くの意見に耳を傾けず、ひたすら原発中心のエネルギー政策を進めてきた人々の責任は免れません。今回のような大規模な『連動型広域震源地震』だけでなく、想定をはるかに超える直下型巨大地震の発生も否定できません。

 私たちは、以前から巨大地震による原発事故の危険性を指摘し、地球プレートの境目に位置する日本のような地震国では原子力発電を推進すべきでないと主張してきました。日本では、地震や津波の規模を想定し、その範囲内で安全基準をクリアーすればよいという考え方は、原子力発電所に関して適用すべきではありません。また、私たちは、原子力重視のエネルギー政策をやめ、自然エネルギー(再生可能エネルギー)重視のエネルギー政策へ転換することを主張してきました 。

 今回の事態を踏まえて、私たちは日本政府に対して、以下のことを強く要求します。

    1. すべての原子力発電所の総点検を直ちに実施し、安全対策が不十分な原子力発電所を早急に停止することを求めます。とくに近隣で巨大地震の発生の可能性が高い浜岡原子力発電所については、直ちに運転を停止するべきです。
    2. 原子力発電の新設・拡大政策をやめ、中国電力の上関原子力発電所など、現在、建設中や計画中の原子力発電所については直ちに中止・撤回することを要求します。
    3. 原子力偏重という誤ったエネルギー政策を推進してきた責任の所在を明らかにし、地球温暖化を防止し、持続可能で安全な未来社会を実現するために、自然エネルギー(再生可能エネルギー)普及促進政策に転換するよう要求します。
    4. 自然エネルギー普及を促進するために、適切な電力買取補償制度(固定価格買取制度)や再生可能エネルギー熱優先利用制度、バイオ燃料優遇制度を導入するとともに、自然エネルギー普及に必要なスマートグリッドの普及などの条件整備の推進を求めます。

以上

2011年3月29日
自然エネルギー市民の会(代表;和田 武、事務局長;早川光俊)

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